被災地域に祭りの列 吉里吉里地区で神幸祭

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岩手県大槌町の吉里吉里地区で、8月26日天照御祖神社例大祭(吉里吉里祭り)の神幸祭が行われ、虎舞や鹿子踊などの地域の伝統芸能と共に、神輿が2年ぶりに吉里吉里地区へ繰り出した。

大津波に見舞われ、土台だけが残る旧住宅街を練り歩く神輿行列

昨年は震災の影響で神輿の行列は中止されたが、被災した地域を神さまに見せるため、津波の被害を直接受けた地域のみを回るという形で実施された。行列は午前9時ごろ高台にある同神社を出発し、吉里吉里海岸で震災被害者の慰霊と鎮魂のため大祓い・清め祓いを斎行した後、お囃子とともに被災地区を練り歩き、鹿子踊、虎舞、大神楽を演じた。

海に向かっての大祓い・清め祓いは、震災で亡くなった方への供養のため、初めて行われた。震災前は、舟に神輿を乗せて豊漁を祈っていた。

大祓い・清め祓いが行われた吉里吉里海岸はボランティアにより清掃されて美しくなった

沿道でカメラを構えていると、「この(建物の基礎がひろがる)景色とこの神輿は今年で最初で最後かもしれない。この対比がなんとも言えないからしっかり写真に収めておくといいよ」と話しかける町民の方もいて、特別な年であることを再認識した。

吉里吉里小学校と紫波町内の小学校の5年生が一緒に子供用の御輿を担いだ

自分の家の跡地で行列を観覧していた芳賀ヤス子さんは、「お祭りがあると、賑やかで良い。盛り土などの復興計画のため、来年度も(吉里吉里祭りが)行われるかわからないから、この祭りを楽しみたい」と話していた。

記事=三浦 義多佳写真=倉田 匠